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現地・現場レポート

中村まちバス(高知県四万十市)


1.経緯


DSC_0264.JPGお話しを伺った、四万十市企画広報課 上岡弘一さん高知県西南部を流れる、日本最後の清流といわれ、四国の観光スポットとしても名高い四万十川。その上下流に位置する旧土佐村と旧中村市は、平成17年4月10日に合併、大河の名前をとって四万十市となった。
平成22年5月、高知駅から約2時間、特急「南風」号で同市を訪れてみると、玄関口にあたる土佐くろしお鉄道中村駅周辺にはこれといったにぎわいが見当たらない。同駅から徒歩10分以上離れたあたりが中心市街地で、いくつかの商店街や官公庁が集積している。その周辺を散策すると、郊外大型店の影響もあるのだろう、シャッターを降ろしたままの店舗が少なからず目についた。実際、四万十市商工会議所では、中心市街地の活性化推進を目的に「四万十市中心市街地空き店舗情報」サイトを立ち上げて、出店者を募るなどしている。
高齢化が進む状況で、移動の足が自由にならない交通弱者、その結果買い物にも不自由する買い物難民が増えている。同市の中心街を歩いていると、クルマあっての生活が都市基盤化していることを再認識した(もちろん同市のみならず日本の地方都市における共通課題、いわば社会問題でもあるが)。

同市を東西に走り高知市、宿毛市とつながるメインルートの国道56号は、2車線化とバイパスルートの工事が進展しており、沿道には例によってロードサイド商業集積が多数進出、一部では宅地開発も進んでいる光景を見た。太陽が西に傾く頃(東京に比べるとかなり遅い時刻で驚くが)、国道56号は帰宅を急ぐマイカーなどで交通量は少なくない。しかし中心市街地のメインルートとなる中村大橋通りは、既に夜の静寂に包まれようとしていた。

事業開始から10年、個人の利便な移動手段をデマンド交通で実現しようとするこの「中村まちバス」は、当時も今も、人口3万人規模の地方都市として先進的な取り組みである。
合併前、平成10年当時の旧中村市は、人口約35,000人の規模であった(合併後の平成21年で約37,000人)。同市も他の地方都市と同様、自家用車の普及によって、公共交通の運営は厳しさを増していた。人口の3割が集中する、中心市街地を含む中村地区で、民間の高知西南交通(株)が運行する循環バスは、1日に7本の運行に対して利用者は1日平均7人程度と、きわめて事業性の低い状況に陥っていたのである。
DSC_0274.JPG中村まちバス(取材当日は故障のため待機中)
こうした中、平成10年9月に高知県が国のITS実験モデル地域に選定され、旧中村市はその実験地域に選ばれた。ITSは、「Intelligent Transport System」(高度道路交通システム)の略称で、最先端の情報通信技術を用いて人と道路と車両を情報でネットワーク、交通事故・渋滞といった道路交通問題の解決を図る新しい交通システムをいう。高知県のモデル実験では、ITSを利用者の要望によって待ち時間の少ない効率的な運行が可能な「デマンドシステム」に注目。市民の利便性の向上とその運行による買い物客などの掘り起こしによる中心市街地の活性化と、バス事業の活性化の推進などを目的に、デマンドシステムによる「中村まちバス」の運行によって、実証を行ったのである。


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