施策・活動の提案

第1回
自動車販売業(新車ディーラー)(6/6)


提案3 パパ・ママショップ合同型店舗


●顧客満足認識の高い商店と共同モール化
●中心商店街など、環境変化で閉店した店舗の再デビュー・再活性
●モール全体で顧客対応、買い物難民化を抑制


ドア・トゥ・ドアに慣れた生活者のマイカー生活で、いちばんの苦手は、店舗や駐車場の限られた中心商店街です。多少の渋滞が起きようが、ワンストップでたいていの用事を済ませられる郊外大規模商業集積に足が向いてしまいます。多くの都市で、伝統的な中心商店街は活気を失い、シャッター通り化する街が珍しくなくなりました。

郊外は郊外で新たな競合が生まれ、中途半端な規模とMDの店舗は価格訴求の強みを維持した大規模店に淘汰されています。こうして、「先祖代々続いた商店」はよほどの特徴やオリジナリティ、顧客の支持がない限り、当代限りの運命となってしまいます。少なくなって高齢化したとはいえ、お馴染みさんを見捨てるわけにはいかないとがんばっても、高い技術を備えていても店舗立地だけはどうしようもないのです。

やる気と体力はあるが、外部環境の変化で運営を断念した商店の再興を、販売店と複合した商業モール的な複合業態で可能にできないでしょうか。地域の振興に寄与してきた商店を、資本の論理だけで退場させてそのままでは、商店の持っていた技術、顧客は二度と地域には戻らず、生き残った商店をさらにつらい環境に陥れてしまいます。そこに依存してきた顧客が、他店に乗り換える手段がなければ買い物難民になってしまうのです。

郊外大型店ですでに同様の取り組みを実現したのがA-Zスーパーセンター(鹿児島県阿久根市、(株)マキオ)です。中心商店街で評判だったものの、にぎわい減少で閉店に追い込まれた手作りパン屋の経営者夫妻を、同店のパン売り場を任せることで再出発させています。同センターは、高齢者優遇を徹底しており、経営では定年制度を設けない人事制度、顧客には移動手段を持たない高齢者が利用できるように片道100円の送迎バスの電話予約に対応する他、帰宅時に購入した製品を玄関先までスタッフが運ぶサービス等を導入しています。

中心商店街での営業を諦めた「パパ・ママショップ」を集積させた商業モールでは、各店および共同運営の出張問題解決サービスを差別化訴求点とします。そこに御用聞きや宅配も含まれます。例えば情報機器を設置する場合、電気店、通信事業者、メディア事業者等ばらばらにセッティングや設備更新を実施していたところを、ワンチャネル化して対応します。新車ディーラーにとっては、クルマ以外の生活消費をチャンスとして、新たな提案訴求が可能になります。ある店舗の主が高齢化や健康を害して、馴染みのお客さまをフォローしきれないような場合でも、モール参加事業者が共同で代行していきます。このトータルサポート体制により、少なくとも既存顧客の買い物弱者化を抑制します。

消費行動とにぎわいの郊外化を促進したのがモータリゼーションであり、クルマなくしての生活維持は難しいまでにした責任の一端(ひょっとすると大部分)は、売れるだけ売って他には関心を示さなかった自動車業界にあるかもしれません。しかし販売業、こと地域の小商圏をテリトリーとするクルマ販売業は別です。メーカーのように海外に活路を求めるわけにはいかず、あくまでもテリトリーあっての商売なのです。弱者が集まって相互扶助を保ちながら、再活性に取り組むのです。

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